
概要
EXCELのグラフ機能で外サイクロイド(エピサイクロイド)の軌跡を描いてみます。以前内サイクロイドは描いたことがあるのですが今回は外サイクロイドです。

大円R上を小円rが転がります。小円rの内にある点Qの軌跡を描いてみます。EXCELの前に順番に軌跡式の算出をおこなっていきます。
軌跡計算
小円中心点の軌跡

まずは小円がθ角のところまで回転したときの中心点Pの軌跡(\(\overrightarrow{OP}\)の成分)を考えます。それぞれの半径をRとrとすると点P座標(成分)は
\begin{align} \overrightarrow{OP}のx成分⇒\left(R+r\right)\cos{\theta}\\\\ \overrightarrow{OP}のy成分⇒\left(R+r\right)\sin{\theta} \end{align}となります。いったんこの式は置いといて、次に点Qを見ていきます。
点Qの相対位置
次に点Pから見た点Qの座標(\(\overrightarrow{PQ}\)の成分)を計算していきます。

ちょっとごちゃごちゃしてますが、まずは角度θ2を導出します。円弧 \(\overset{\frown} {AB}=\overset{\frown} {CB}\) より
\begin{align} R\cdot\theta&=r\cdot\alpha\\\\ \alpha&=\frac{R}{r}\theta \end{align}となって、角度θ2は
\begin{align} \theta_2&=\pi+\theta+\alpha\\\\ &=\pi+\frac{R+r}{r}\theta \end{align}となります。で次に\(\overrightarrow{PQ}\)の成分はそれぞれ以下で計算できます。
\begin{align} \overrightarrow{PQ}のx成分⇒r_q\cos{\theta_2}&=r_q\cos{(\pi+\frac{R+r}{r}\theta)}\\\\ &=-r_q\cos{(\frac{R+r}{r}\theta)}\\\\ \overrightarrow{PQ}のy成分⇒r_q\sin{\theta_2}&=r_q\sin{(\pi+\frac{R+r}{r}\theta)}\\\\ &=-r_q\sin{(\frac{R+r}{r}\theta)}\\\\ \end{align}点Q座標
最後に点Q座標(軌跡)を計算します。\(\overrightarrow{OQ}=\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{PQ}\)となるのでx、y座標はそれぞれ
\begin{align} x&=\left(R+r\right)\cos{\theta}-r_q\cos{(\frac{R+r}{r}\theta)}\\\\ y&=\left(R+r\right)\sin{\theta}-r_q\sin{(\frac{R+r}{r}\theta)} \end{align}となり、大円半径R、小円半径r、小円内点の半径rq、回転角θで座標を表すことができます。では本題のEXCELグラフで軌跡を描いてみます。
EXCELでグラフ化
EXCELで外サイクロイドの軌跡を描いていきます。まずは定数準備。

定数として大円半径、小円半径、軌跡点半径準備、数字は適当な値で準備しておきます。角度は360度まで準備、ラジアンもついでに計算しておきます。

サイクロイド軌跡の描画には関係ありませんが、グラフ化しておきたいので大円も計算しておきます。ここでは大円半径「30」の円座計算してます。最初のセルを記述してからドラッグでもいいですがダブルクリックすると一気に計算が完了します。

最後に外サイクロイドの軌跡座標を計算します。先ほどの数式そのまま入力して完成です。大円とサイクロイド軌跡を散布図でグラフ化してみます。

例題の定数のままグラフ化したものです。大円、小円が6:1なので軌跡の波が6個できてます。

角度の分解能や定数いじるとこういった軌跡も描きます。いろいろいじってみると楽しいかと思います。
えんぴつでグルグルと廻して軌跡を描くおもちゃと同じですね。

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